研究内容
・動的な材料界面の理解に基づく、材料のマルチスケール構造制御
われわれの研究の特長は、材料制御、プロセス制御に、「超臨界流体」をつかうことです。臨界点を超える温度・圧力状態にある物質を超臨界流体と呼びますが、超臨界状態ではわずかな温度圧力操作で溶媒物性を大胆に変化させることが出来ます。 溶媒物性や材料表面状態を操作し、材料ー媒体の相互作用を制御することで、物質の表面組成・構造制御、さらには、ナノ粒子の分散・凝集(ポーラス構造)に至る複階層構造の制御に取り組んでいます。
・無機ナノ材料からなる電極触媒の開発
電極触媒材料では、金属活性中心の電子状態及び配位構造が触媒活性を決定する一つの重要な要素です。笘居研究室では、新規ナノ材料合成プロセスの開発を通じて、高活性な電極触媒、具体的には水電解や二酸化炭素電解に利用可能な触媒を開発しています。
代表論文
ACS Appl. Energy Mater., 5, 8, 9292–9296 (2022). DOI: 10.1021/acsaem.2c01751.
Chem. Mater., in press. DOI: 10.1021/acs.chemmater.2c03099.
多元系酸化物触媒
ACS Appl. Energy Mater., 5, 8, 9292–9296 (2022).
フッ素置換ペロブスカイト
Chem. Mater., in press. DOI: 10.1021/acs.chemmater.2c03099.
超臨界流体を用いた
ナノシート合成(MoS2)
Dalton Trans., 49, 27, 9377–9384 (2020).
・高温高圧流体の電気化学の開拓と応用
高温高圧状態では、通常相分離する水とガス(CO2)、水と有機物(廃プラスチック、バイオマス、etc.)が、均一相を形成できるようにもなります。この高温高圧流体を用いた電気化学的物質変換プロセス(CO2還元等)に取り組んでいます。「高温高圧の電気化学」の学理構築を通じて、持続可能な社会の実現に貢献することを目指します。